本研究では、低酸素虚血負荷後の脳波と脳循環酸素代謝変化をamplitude integrated EEGと時間分解分光装置を用いて測定し、その病理学的脳障害との関係を調べた。その結果、負荷後の脳血液量増加は脳波抑制時間と相関し、病理学的脳障害の重症度とも相関した。また、臨床においても、低酸素性虚血性脳症児においても、生後12時間以内に脳血液量が増加するものは、生命予後及び神経学的予後が不良であることを報告した。これらの結果より、脳血液量と脳波抑制時間は、生後早期に脳障害を簡便に且つ定量的に評価できるパラメーターとして有用であることが明らかとなった。
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