研究課題/領域番号 |
25860928
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
是川 あゆ美 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (70436020)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 遺伝子 / 真皮 / コラーゲン / 結合組織 / 母斑 |
研究実績の概要 |
Buschke-Ollendorff 症候群は常染色体性優性を示し、臨床的は皮膚の結合織母斑と長管骨の骨斑紋症を特徴とする。本症の原因遺伝子はLEMD3遺伝子であり、一方のアリルのloss-of- function変異で生じる。しかしながら、臨床症状は多彩で、皮膚の結合織母斑のみ、骨の骨斑紋症のみのこともあるし、家系内で同じ変異を持ちながら発症しない症例もあり、正常のアリルのLEMD3遺伝子発現の個人差や組織での違いによるものと推測されている。前年度は、正常線維芽細胞でのLEMD3遺伝子の強制発現、正常線維芽細胞でのLEMD3遺伝子の発現抑制を検討した。本年度は、Buschke-Ollendorff 症候群患者の遺伝子変異検索と資料の保存、患者細胞でのLEMD3レスキュー実験を行った。2名のBuschke-Ollendorff 症候群患者の経過を観察しているので患者の結合織母斑部と正常部から線維芽細胞を採取し培養し、それらの細胞で上述した結合織関連の遺伝子の発現測定を試みた。また、患者線維芽細胞に遺伝子強制発現で使用した通常の発現ベクターや誘導可能な発現ベクターを導入し、stable系も作成を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、Buschke-Ollendorff 症候群患者の遺伝子変異検索と資料の保存、患者細胞でのLEMD3レスキュー実験を行った。2名のBuschke-Ollendorff 症候群患者の経過を観察しているので患者の結合織母斑部と正常部から線維芽細胞を採取し培養し、それらの細胞で上述した結合織関連の遺伝子の発現測定を試みた。また、患者線維芽細胞に遺伝子強制発現で使用した通常の発現ベクターや誘導可能な発現ベクターを導入し、stable系も作成を検討した。計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ケロイド、皮膚線維腫などの結合織増生疾患におけるLEMD3遺伝子の変化をみる 弘前大学皮膚科あるいは医学部附属病院に保管している過去の手術検体から、各種結合織増生疾患を選択し、凍結組織あるものは、そこからRNAを抽出し、RT-PCRにてLEMD3の発現を検討する。凍結組織のないものは、酵素抗体法にて組織学的にLEMD3の発現を見る。
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