研究課題
Buschke-Ollendorff症候群は常染色体優性を示し、臨床的には皮膚の結合織母斑と長幹骨の骨斑紋症を特徴とする。本症の原因遺伝子はLEMD3遺伝子であり、一方のアリルのloss of function変異で生じる。しかしながら、臨床症状は多彩で皮膚の結合織母斑のみ、骨の斑紋症のみの場合や、家系内で同じ変異を持ちながら発症しない症例もあり正常のアリルのLEMD3因泥発現の個人差や組織での違いによるものとされている。25年度は正常線維芽細胞でのLEMD3遺伝子の強制発現、発現抑制を検討した。26年度はBuschke-Ollendorff症候群患者の遺伝子変異検索と資料の保存、患者細胞でのLEMD3レスキュー実験を行った。2名のBuschke-Ollendorff症候群患者の経過を観察していたので患者の結合織母斑部と正常部から線維芽細胞を採取培養し、それらの細胞で上述した結合織関連の遺伝子の発現測定を試みた。また、患者線維芽細胞に遺伝子強制発現で使用した通常の発現ベクターや誘導可能な発現ベクターを導入しstable系の作成を検討した。27年度は、ケロイドや皮膚線維腫などの結合織増生疾患におけるLEMD3遺伝子の変化を観察した。弘前大学皮膚科あるいは医学部附属病院に保管している過去の手術検体から各種結合織増生疾患を選択し凍結組織があるもへはRNAを抽出しRT-PCRにてLEMD3の発現を検討した。凍結組織のないものは酵素抗体法にて組織学的にLEMD3の発現をみた。
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