今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究実績において、アディポネクチン遺伝子欠損マウスにおいて、野生型マウスに比較し、①TNF-α, IL-6、②IL-12p40, IL-23p19、③IL-17A, IL-17F, IL-22のサイトカインの発現上昇がみられた。①②のサイトカインの産生細胞と考えられるマクロファージ、樹状細胞、皮膚角化細胞に対して、アディポネクチンがこれらのサイトカインの産生を抑制するといった抗炎症作用については、過去に我々が報告しているため、今回は③IL-17A、IL-17F、IL-22に注目して、解析をすすめる。まず、IL-17Aの発現はmRNAレベルのみならず、タンパクレベルにおいてもアディポネクチン遺伝子欠損マウスにおいて上昇していることを確認するため、intracellular FACSの解析を行う。具体的にはイミキモド外用前および5日間連日外用後に所属リンパ節から細胞を取り出し、IL-17Aにて標識を行う。その際、IL-17を産生している細胞も同定を行うため、IL-17を産生していると考えられるT細胞の各種マーカーであるCD3, CD4, CD8, γδTCRにて標識を行う。また、実臨床における応用として、抗TNFα抗体や抗IL-17抗体、抗γδTCR抗体の投与にて皮疹が改善するかを検討する。また、その際、アディポネクチン遺伝子欠損マウスと野生型マウスにおいて、皮疹の改善に必要とする抗体量に差があるかどうかも検討を行う。さらに、抗体投与にて皮疹が改善した場合、mRNAレベルでもTNFαやIL-17Aといった皮疹の増悪因子となっているサイトカインの発現の改善がみられるかを検討する。
|