研究課題/領域番号 |
25860937
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
宗次 太吉 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (90613555)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 免疫機構 / 汗腺 / 接触過敏反応 / 免疫寛容 / 樹状細胞 / 汗腺幹細胞 |
研究概要 |
1. 汗腺、汗腺周囲幹細胞の分離、培養・・・マウス足底より分離した皮膚を、コラゲナーゼで処理し、皮膚の結合組織を除去し、汗腺の分離を行った。汗腺と毛包などの付属器との区別のため、neutral red で染色し顕微鏡下で汗腺を分離している。今後は汗腺を組織培養し、汗腺の周辺の間質にあるネスチン陽性の細胞を確認し、セルストレーナーで濾過した細胞懸濁液を培養し、汗腺に局在する幹細胞の分離を試みる。培養した汗腺からのサイトカインプロフィールをサイトカインアレイを用いて観察する。 2.部位特異的免疫機構の解析 1)有毛部と無毛部での接触過敏反応における樹状細胞の役割について・・・マウスの足底、耳介に接触過敏反応を誘導し、特殊染色を実施した。DC-HIL(抑制性樹状細胞)やランゲルハンス細胞、ランゲリン陽性真皮樹状細胞を、共焦点顕微鏡を用いて同定した。今後は、腹部で感作した場合と足底で感作した場合の接触過敏反応を観察予定である。毛包のない足底で接触過敏反応を起こした際の、樹状細胞や炎症細胞の動態を比較する予定である。またランゲリン-eGFP-DTRマウスも近日中に供与される見込みであり、毛包のない足底での接触過敏反応における樹状細胞の役割の解析や、実際に足底にどのように樹状細胞が動員されるのかを可視化するため、ライブセルイメージングも活用したいと考えている。 2)掌蹠マウスを用いた解析・・・tetO-DKK1-トランスジェニックマウスは掌蹠外においても、掌蹠の特徴をもつ"掌蹠マウス"である。tetO-DKK1-Tgmiceも近日中に供与される見込みである。このマウスを基に、汗腺機能、免疫機能を解析したい。また掌蹠に特徴的な病気が再現可能か検証したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)コントロールマウスを用いた、接触過敏反応の誘導や、樹状細胞・抑制性樹状細胞・真皮樹状細胞などの同定は当初の予定通り進行した。 2)ランゲリン-eGFP-DTRマウスや、tet-O-DKK1-Tgマウス等の遺伝子改変マウスの供与に当初の予定よりも時間を要している。 3)汗腺幹細胞の同定、培養については今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
1)遺伝子改変マウス(ランゲリン-eGFP-DTRマウス、tet-O-DKK1-Tgマウス)は近日中に供与される見通しである。当施設に搬入後、速やかに胚操作クリーニングとマウスの個体化を行い、ホモ接合マウスの作成を試みる。 2)作成された遺伝子改変マウスを用いて、毛包のない足底での接触過敏反応における樹状細胞の役割の解析や、ライブセルイメージングを活用した解析を進める。 3)実験に充てる時間を最大限に確保して、効率よく実験が進むよう考慮する。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は遺伝子改変マウスが予定通り供与されず、次年度に遺伝子改変マウスを用いた解析を行うことになったため。 遺伝子改変マウスを用いた解析を研究計画に沿って、速やかに進める。 汗腺幹細胞を分離・培養し、種々の刺激を与えて、汗腺特異的免疫反応を解析する。
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