皮膚創傷治癒過程の増殖期は、真皮間葉系細胞、血管内皮細胞が細胞外マトリックスとともに肉芽組織を形成する。プロテオグリカンであるバーシカンに焦点をあて、その生理的意義を解析した。 マウスの創傷皮膚におけるバーシカンは創傷後4~5日目で発現増加し、速やかに定常状態になることを見出した。バーシカンsiRNAを用いてノックダウンすると、Srpx2、Ccl6、Smoc2が著明に発現誘導されることをマイクロアレイにより見出した。これらは、細胞遊走、創傷治癒での機能を示唆されている分子である。本バーシカンはこれらの分子発現の抑制を介して、創傷における細胞遊走を調整していると考えた。
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