研究課題
若手研究(B)
色素性乾皮症が疑われる光線過敏症状を来たしている患者7名について、皮膚生検ののち、繊維芽細胞を培養した。これを96穴プレートにまき、UVCを照射してDNA損傷を誘発した。このDNA損傷が修復される際に、チミジンアナログとしてエチニルデオキシウリジン(EdU)を取り込ませた。これにアジ化蛍光色素を加えた後、蛍光画像自動取得顕微鏡装置を用いて蛍光画像を自動収集した。この蛍光強度(=修復活性)を解析し、不定期DNA合成能(UDS)およびRNA合成能(RRS)を測定した。UDSとRRSの組み合わせにより、色素性乾皮症の亜型分類、責任遺伝子候補が推定可能である。次に、患者由来繊維芽細胞に、既知のXP各群遺伝子cDNAを含むレンチウイルスを患者細胞に感染させ、その細胞にUVCを照射後、上述のごとくUDS、RRSを測定し、相補されている群を決定する。(遺伝子相補性試験)しかし、現時点で、上記診断システムを用いて色素性乾皮症と診断が確定したものはおらず、よって、責任遺伝子のDNAシークエンスも行うことができていない。但し、臨床的に光線過敏症状をきたしているため、色素性乾皮症ではない、新たな光線過敏症をきたす疾患を同定できる可能性があり、今後、遺伝子解析も視野に入れている。
4: 遅れている
色素性乾皮症が稀な疾患であることから該当患者数が少ないため、目標症例数に達していない
昨年度と同様、引き続き残っている症例並びに新規症例を収集し、色素性乾皮症の遺伝子変異の同定を行っていく予定である。
色素性乾皮症が稀少な疾患で該当患者数が少ないため、新規症例を集めて今後の検討を行う。培養費用:700,000円、UDS、RRS測定用試薬:900,000円、DNAシークエンス:1,200,000円、その他分子生物学的実験費用:150,000円を予定している。
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西日本皮膚科
巻: 75 ページ: 508-510