研究概要 |
始めに、シクロフォスファミドによる免疫抑制療法を行った難治性の全身性強皮症患者3例の血清および皮膚生検組織を使用した。これらは倫理委員会の審査を経て文章による同意を得たのち、凍結保存したものである。まず血清中のサイトカインについて、Multi-Analyte ELISArray Kit(SAbioscience)を用いて、網羅的に12-30種類のサイトカインを定量した。その結果、治療前後の比較でG-CSFの上昇、TGF-b1の持続高値を認めた。次に、皮膚組織のparaffin切片からRNeasy FFPE kit (Qiagen)を用いてtotal RNAを抽出した。病変部皮膚組織のmRNAについてPCR array (Qiagen) により全身性強皮症におけるin vivoでのサイトカインを中心に88種のmRNA発現様式を網羅的に検査した。まず、免疫抑制療法が皮膚硬化に対し有効であった群と治療抵抗性群に分け、mRNAの発現量を比較した。その結果、CTNF,IL-10, CD70, IL17Aなどのサイトカインは有効群で高値であり、BNP7, PDGFA, CSF1, BNP7などのサイトカインは治療抵抗群で高値であることがわかった。
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