隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)の腫瘍化機序を理解するために、PDGFリガンド、PDGF受容体の遺伝子異常を検索した。ほぼ全例でコラーゲン1A1-PDGFB融合が存在しコラーゲン1A2とPDGFBとの遺伝子融合は、我々が発見した1症例のみであった。受容体側の遺伝子異常は病理組織での解析で否定した。免疫染色でPDGF-Bの発現を高頻度で確認しPDGF-Bの発現の検索が他の間葉系腫瘍との鑑別の一助となることを確認できた。隆起性皮膚線維肉腫の腫瘍化機序としては全て、腫瘍細胞自身のPDGFの自己分泌により恒常的なオートクラインあるいはパラクラインにより、腫瘍性の増殖をきたすと結論した。
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