乾癬の病態では免疫細胞と表皮細胞の活性化クロストークが重要である。細胞膜蛋白のカベオリン-1(Cav-1)は、脂質代謝や物質輸送に関与するほか各種シグナル因子に作用し抑制的に制御する。乾癬患者の表皮細胞では、Cav-1発現が有意に低下していた。Cav-1発現を低下させた表皮細胞ではSTAT3やJAK2のリン酸化が有意に増強し、表皮細胞過増殖のほか、様々なケモカイン産生を有意に増強させた。さらに、イミキモド誘発性の乾癬モデルマウスを用いて、Cav-1の機能部位を含むCSDペプチドを皮下投与すると、乾癬様皮疹は抑制された。乾癬におけるCav-1の低下が乾癬の慢性病態を修飾することが示唆された。
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