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2014 年度 実施状況報告書

胎児メラノサイトの部位特異性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25860963
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

中村 元樹  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70645051)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードメラノサイト / メラノブラスト / 幹細胞 / 足底 / 胎児 / エクリン汗菅
研究実績の概要

4箇所の胎児皮膚(頭部、背部、腹部、足底)から分離、培養した胎児メラノサイトを、それぞれメラノサイト分化増殖溶媒を用いて培養し、メラノサイトの分化の過程をin vitroで再現することを試みた。メラノサイト分化増殖溶媒はmedium254(Cascade Biologics)にHuman Melanocyte Growth Supplement(Cascade Biologics)を添加したものに、Stem Cell Factor, Endothelin-3, Phorbol ester 12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetateを添加して作製した(Li L, J Cell Sci, 2010)。培養による胎児メラノサイトの分化は確認できず、胎児メラノサイトの分化には未知の因子の作用があることが示唆された。メラノブラストからメラノサイトへの分化に必要な因子を調べるため、マウス由来のメラノブラストを用い、紫外線照射による活性化を調べた。マウスメラノブラスト(NCCmelb4)は聖マリアンナ医科大学 皮膚科 相馬良直先生から頂いた。分光器(日本分光株式会社 CRM-FD型 多波長照射分光器)を用いた紫外線照射によりメラノブラストの分化に最適な紫外線波長および照射間隔を同定した。また採取した胎児皮膚(胎生13週~22週)をHMB45, MITFなど各種抗体で免疫染色し、胎生期におけるメラノサイトの遊走過程を解明した。足底皮膚では胎生早期に汗管形成以前にメラノサイトが汗管発生部位に到達し、汗管の伸長と共に深く入っていくことを明らかにし、J Dermatol Sci.に報告した(J Dermatol Sci. 2015 May;78(2):143-8.)。エクリン汗腺にメラノサイト幹細胞が存在するとする近年の報告を裏付けるものであり、ヒトでの研究は初めてである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ヒト胎生期のメラノサイト遊走について、足底ではエクリン汗菅形成に伴い独自の遊走形式をとることを明らかにし、報告した(J Dermatol Sci. 2015 May;78(2):143-8.)。

今後の研究の推進方策

培養細胞の分化について解析を進める。紫外線照射によるメラノブラストからメラノサイトへの分化誘導を行い、その条件、介在するpathwayを解明する。

次年度使用額が生じた理由

採取皮膚のimmnohistochemistryによる解析は終了したが、その採取皮膚からisolateした細胞の解析が終了していない。

次年度使用額の使用計画

マウスメラノブラストでの解析結果を参考に、培養細胞からメラノブラストを分離し分化誘導を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Site-specific migration of human fetal melanocytes in volar skin.2015

    • 著者名/発表者名
      Motoki Nakamura, Mizuho Fukunaga-Kalabis, Yuji Yamaguchi, Takuya Furuhashi, Emi Nishida, Hiroshi Kato, Toshihiko Mizuno, Mayumi Sugiura, Akimichi Morita
    • 雑誌名

      J Dermatol Sci

      巻: 78(2) ページ: 143-148

    • DOI

      10.1016/j.jdermsci.2015.03.003.

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-06-01  

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