研究課題/領域番号 |
25860964
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
角田 加奈子 岩手医科大学, 医学部, 助教 (10611030)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | NACC1 / SOX2 / NANOG / HDAC6 / SUMOlyation |
研究実績の概要 |
本研究課題では、次世代シークエンサーを用いた網羅的解析により、①NACC1標的がん関連遺伝子の特定(STEP1: トランスクリプトーム解析)、②個々のNACC1標的遺伝子の発現に関する他の多能性維持関連転写因との相互関係(交絡)(STEP2: ChIP sequence解析)を決定し、NACC1の多能性維持関連転写因子ネットワークでの役割を明らかにした上で(達成目標)、③がん幹細胞あるいはiPS細胞でのネットワーク存在の検証(STEP3:努力目標)を行い、がんのドーマントセラピー開発の糸口を見出したい。 平成26年度は,NACC1と相互作用を示すHDAC6,cortactin, HSP27に加えて,NANOG/SOX2との相互作用を見出した.これらの細胞質内因子との相互作用は,DAC domainを介した相互作用の可能性が高く,HDAC6の脱アセチル化作用による細胞生物学的特徴として,細胞運動能の亢進,抗ストレス作用を示すものであった.また,核内転写因子との結合部位は,N末のアセチル化/SMO化のスイッチングによる生理学的活性変化をもたらすものであり,標的分子の転写領域のヒストン蛋白のメチル化誘導に関与している可能性が示唆されている. 現在は,NANOG/SOX2側の結合部位の決定,標的ヒストン蛋白のリジン残基の決定を行い,NACC1の発現制御下にある蛋白質についてtranscriptomeとの関連付けを行っている所である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,、①NACC1標的がん関連遺伝子の特定(STEP1: トランスクリプトーム解析)の解析に上乗せして,②個々のNACC1標的遺伝子の発現に関する他の多能性維持関連転写因との相互関係(交絡)(STEP2: ChIP sequence解析)関係を見出した.また、それらが転写抑制型のヒストン修飾に関連している可能性を見出しており,概ね順調に推移していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
STEP1/2これまでのデータのまとめを行い,論文投稿,学会発表を行う.さらに努力目標に設定した,がん幹細胞あるいはiPS細胞でのネットワーク存在の検証(STEP3:努力目標)に関して,ROSストレス時に上昇を示すNRF2の作用が関与ししている可能性を見出しており。この目標についても年度内に成果を得る.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の一部遅延及び試薬納期遅延もあり、次年度に購入する必要が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降の消耗品(試薬等)として使用予定である。
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