研究課題/領域番号 |
25860968
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
水上 潤哉 東京医科大学, 医学部, 臨床研究医 (30421051)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ASK1 / CHS / MAPK |
研究概要 |
皮膚の炎症は外的・内的要因により、自然免疫や獲得免疫機構を介した免疫応答により引き起こされる。しかしながら、外的刺激に対するストレス感受機構と炎症性皮膚疾患との関連性は十分には解明されていない。そこで我々は、ストレス応答分子ASK1 に着目し、ASK1 欠損マウスやchemical genetic approach を用いたノックインマウス(ASK1ASKA マウス)、時期特異的なASK1 発現マウスなどを用いて接触過敏におけるASK1 の機能解析を行い、これらの実験系に新規ASK1 活性阻害剤を投与して接触皮膚炎の治療薬の開発を目指すことを研究目的とした。 H25年度の研究として以下を計画していた。CHS マウスモデルにおけるASK1 の機能解析のため、ASK1 欠損マウスを用いた。またノックインマウスであるASK1ASKA マウスの作製およびASK1 欠損マウスを用いた実験は、東京大学大学院薬学系研究科細胞情報学教室の一條秀憲教授の協力を得て行った。 ASK1 欠損マウスの繁殖・維持に関しては問題なく行えた。また東京大学大学院薬学系研究科細胞情報学教室の一條秀憲教授の協力を得て、ASK1ASKA マウスの作製およびASK1 欠損マウスを用いた実験を遂行した。 炎症を惹起させた耳の組織から凍結標本を作製した。耳組織中の炎症性サイトカインや皮膚組織のウェスタンブロット法によるタンパク検出の差異について検討したが、検出感度や結果のばらつきなどにより、一定したデータが得られなかった。そこで本実験で重要な役割を担うリンパ球系の実験を進めたところ、DNFB 感作4日後のDNFB 特異的リンパ球の養子免疫実験において、リンパ球におけるASK1の存在または活性化が炎症反応の惹起に関わることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた耳の組織学的検討および炎症性サイトカイン等の検出を目的とした実験では安定した結果が得られなかった。しかし、CHSの重要な病態のメカニズムを担うリンパ球系でのASK1が炎症反応の惹起に何らかの形で関係することが示唆された。 このことから、H25年度で作製したASK1ASKAマウスなどを用いて、さらにASK1のCHSにおける機能解析および治療ターゲットとしての解析を目的として、当初の予定通りにH26年度の研究内容を遂行する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、、CHS の時期特異的なASK1 の機能解析を行う。CHS の感作期におけるリンパ球の分化・機能、サイトカイン産生能、時期特異的なASK1 の機能解析についてはASK1ASKAマウスを用いた検討、野生型マウスに対してASK1 活性阻害剤を用いることでASK1の治療応用効果を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初行う予定であった実験であった組織免疫学的検討などを行わず、物品費など予定額に達しなかったため。 H26年度に予定していた実験を前倒しで遂行しているが、その他に新たに関連する実験を加えて使用する予定である。
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