本研究の平成26年度における研究成果を報告する。 3.細胞傷害性T細胞からのiPSCの樹立と、樹立したiPSCの妥当性の検証:平成25年度までの段階では、患者から悪性黒色腫腫瘍抗原特異的細胞傷害性T細胞の分離・培養する方法を確立することに時間を要してしまい、残念ながらそこからiPSCを樹立するまでには至っていなかった。しかしその後、さまざまな試行錯誤を重ねた結果、センダイウイルスを用いた方法、エピゾーマルベクターを用いた方法の双方で、腫瘍抗原特異的T細胞からiPSCを樹立することに成功した。現在までに2つの細胞株が得られており、それぞれ免疫染色にて幹細胞マーカーの発現が確認されている。今後さらに様々な方法でiPSCとしての妥当性を検証し、次のステップである「4.T細胞由来iPSCから細胞傷害性T細胞への再分化」「5.iPSC由来T細胞が持つ腫瘍細胞傷害性の検討」に進んでいく予定である。
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