本研究では皮膚におけるインターロイキン36(IL-36)の活性化による病態について研究を継続実施してきた。これまで、IL-36の活性化に関わるIL36RN遺伝子の変異検索を膿疱性乾癬に対して行ってきた.昨年度までに計11例の解析を実施し、2例にIL36RN遺伝子の変異を同定した。また,IL-36γを表皮特異的に発現するトランスジェニックマウスを作成し,その表現型の観察を行ってきた.71匹のIL-36γトランスジェニックマウスの内、トランスジーンの発現の高い2系統を樹立し、表現型の観察を行った。しかし、30週齢を超えても、表現型に変化はみられなかった。また、これらのマウスに乾癬様皮疹を誘発するイミキモドとホルボールエステルの外用を行ったが、誘発される皮膚炎の程度は、対照群との差はほとんど明確にはならなかった。従って、表皮におけるIL-36γの全長の高発現だけでは乾癬皮疹は誘発できないと結論した。
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