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2014 年度 実施状況報告書

哺乳類細胞発現系組み換え蛋白質を使った天疱瘡のドメイン特異的ELISA法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 25860973
研究機関久留米大学

研究代表者

大山 文悟  久留米大学, 医学部, 講師 (90461441)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードエピトープ解析 / 免疫沈降法 / 免疫ブロット法 / ELISA法 / バキュロウイルス発現系 / 哺乳細胞発現系
研究実績の概要

昨年度に報告した通り、バキュロウイルスによる細胞発現系と哺乳細胞発現系による反応性の相違を確認するための準備としてバキュロウイルス発現系による各種組み換え蛋白質の大量作製を試みたが、-80℃で凍結保存していたバキュロウイルスは長期間凍結保存したことによりウイルス抗体価が著明に低下していたため、組み換え蛋白質の発現が非常に少ない事が判明した。
以上より、安定した組み換え蛋白質発現のためにウイルス抗体価を上げる作業を行った。本研究ではDsg(デスモグレイン)2の各細胞外領域をDsg1とDsg3の各細胞外領域に置換したDsg1 (あるいは Dsg3)/Dsg2 組み換え蛋白質と、と Dsg2の各細胞外領域をDsc(デスモコリン)1(あるいはDsc3)の各細胞外領域に置換したDsc1-3/Dsg2 組み換えタンパク質の20種類と、Dsg1、Dsg2、Dsg3、Dsc1、Dsc3の計25種類の組み換え蛋白質を必要がある。昨年度からDsg(デスモグレイン)2の各細胞外領域をDsg1とDsg3の各細胞外領域に置換したDsg1 (あるいは Dsg3)/Dsg2 組み換え蛋白質の計10種類のバキュロウイルス抗体価を上げるための作業をクローニングを行いながら進めてきた。一昨年度はDsg1に関しては、ある程度ウイルス抗体価が上がり、HF5細胞による組み換え蛋白質の安定した発現を行えるようになった。昨年度は、Dsg3のウイルス抗体価を上げる事ができ、実験に使用できるまでとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

一昨年度に続き、バキュロウイルスのウイルス抗体価が非常に低くなっていたため、安定した組み換え蛋白質の発現が可能となるまでのクローニングに時間と費用を費やした。そのため、平成25年度までに終了予定であった哺乳細胞発現系のためのcDNAサブクローニング、その後の哺乳細胞発現系組み換えタンパク質まで進めることができなかった。それに伴い、平成26年度に作製予定であった、ドメイン特異的ELISAの確立を行うまでに至らなかった。

今後の研究の推進方策

本研究では、哺乳動物系発現系にドメイン特異的ELISAの確立を行う予定であるが、まずは、安定供給が可能となった昆虫細胞発現系組み換え蛋白質を使用しドメイン特異的ELISAの確立を計画している。昆虫細胞発現系組み換え蛋白質は、修飾語翻訳が不安定で、組み換え蛋白発現に前駆体を生じ、本来自己抗体が認識しないエピトープに反応する可能性があった。しかしながら、近年キレート剤であるEDTAで前処理することで、昆虫細胞発現系組み換え蛋白質の立体構造変化させることで、非病原性自己抗体のみを検出する手法が考案された。この手法を用いて、EDTA未処理とEDTA前処理のELISA値を差し引く事で病原性のある抗体のエピトープと非病原性自己抗体のエピトープの解析を行う事が可能となり、現在すでに保険収載されている哺乳細胞発現系組み換え蛋白質から作製された全長Dsg ELISA法と組み合わせることでより正確なエピトープ解析を行う事が可能になると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

平成25年度に哺乳動物発現系による組み換えタンパク質の作製を行う予定で、平成26年度にドメイン特異的ELISA法を確立する予定であったが、比較コントロール用のバキュロウイルス発現系のためのウイルス抗体価が非常に下がっていたため、組み換えタンパク質作製に時間を要した。そのため、哺乳細胞発現系のためのサブクローニングと蛋白発現系の確立とその後のELISA法の確立のための研究を行う事が出来ずに上記の未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

今後は、安定供給が可能となった昆虫細胞発現系組み換え蛋白質を使用しドメイン特異的ELISAの確立を計画している。組み換え蛋白質作製のためには、昆虫細胞培養のための各種血清、培養液などの試薬が必要となるため前年度未使用予算を使用する。また、データを集積し、解析を行った後その研究成果を国内ならびに国際学会等で発表する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Clinical and immunological profiles in 17 Japanese patients with drug-induced pemphigus studied at Kurume University.2014

    • 著者名/発表者名
      Yoshimura K, Ishii N, Hamada T, Abe T, Ono F, Hashikawa K, Fukuda S, Ohyama B, Koga H, Sogame R, Teye K, Ochiai T, Nakajima H, Nakajima K, Iijima S, Kanzaki M, Kojima K, Nagatani T, Fujimoto W, Karashima T, Nakama T, Ohata C, Furumura M, Tsuruta D, Hashimoto T.
    • 雑誌名

      Br J Dermatol.

      巻: 171 ページ: 544-553

    • DOI

      10.1111/bjd.12925.

    • 査読あり

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公開日: 2016-06-01  

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