研究課題/領域番号 |
25860975
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
永田 寛 久留米大学, 医学部, 助教 (80624098)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | ループスエリテマトーデス / 円盤状ループスエリテマトーデス / ループスバンドテスト / 基底膜 / 表皮 / 毛包上皮 / 免疫グロブリン / 補体 |
研究概要 |
ループスエリテマトーデスの病変部皮膚の蛍光抗体染色で、表皮基底膜に免疫グロブリンと補体が沈着する現象はループスバンドテストとして知られている。これまでにループスエリテマトーデスの患者血清中に自己免疫性水疱症で検出される抗基底膜抗体が存在することが報告されており、我々の予備実験でも抗BP230抗体が検出された。本研究の目的はループスエリテマトーデスのループスバンドと抗基底膜抗体との関連を検討することである。 本年度は円盤状ループスエリテマトーデス5例についてループスバンドテストを行い検討した。その結果、表皮基底膜部に顆粒状もしくは線状のIgG沈着を1例、3例に、顆粒状もしくは線状のIgA沈着を2例、2例に、顆粒状もしくは線状のIgM沈着を2例、3例に、顆粒状もしくは線状のC3沈着を0例、4例に認めた。毛包上皮の基底膜部についても顆粒状もしくは線状のIgG沈着を3例、2例に、顆粒状もしくは線状のIgA沈着を2例、2例に、顆粒状もしくは線状のIgM沈着を3例、2例に、顆粒状もしくは線状のC3沈着を3例、2例に認めた。 毛包上皮の基底膜部に於けるループスバンドテストについてはほとんど報告がなく、他疾患との鑑別に重要な知見である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画のなかでもループスバンドテストは最も重要な項目であり、それを5例施行したため、達成度を「おおむね順調に進展している」とした。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、抗BP230抗体、抗BP180抗体、抗type VIIコラーゲン抗体での免疫染色と、免疫グロブリンおよび補体と抗BP230抗体、抗BP180抗体、抗type VIIコラーゲン抗体での二重染色を完遂し、次年度の研究計画通りに、表皮基底膜に液状変性を伴う炎症性皮膚疾患(多形紅斑、Stevens-Johnson 症候群と中毒性表皮壊死症、扁平苔癬、Graft versus host disease)とアトピー性皮膚炎についてループスバンドテストを行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
本研究で使用する試薬の一部を他の研究費より捻出したため、次年度使用額が生じた。 次年度は一般実験試薬、実験器具、各種抗体などの物品費に152万円、旅費に4万円、人件費・謝金に3万円、その他に3万円使用する予定である。
|