乳房外Paget病については2010年までの評価が終了しているために、原発巣と転移巣につき最近2年間分の症例を追加検討する計画は計画の通り研究を行い、論文を投稿中である。また、EGFR、HER2、HER3、HER4といったいわゆるEGFRファミリーの蛋白過剰発現を観察する目的で免疫染色を行った。現在、結果の解析、予後や進行との相関を調べることで、がんの増殖に関与している可能性があるかを解析する。他にアンドロゲンレセプターなどの発現に関しても免疫組織化学染色を行い、臨床的特徴との関係や意義と分子標的治療への導入の可能性につき検討を行う。 他のnon-melanoma skin cancerについて、TMA作成を行う計画については、 SCC、Merkel細胞癌、皮膚付属器腫瘍といった、現在有効な分子標的治療が存在せず、今後分子標的治療の対象となりうる主要な癌ではTMAの作成は終了した。 Melanomaの解析については、BRAF遺伝子変異と他の遺伝子変異などの関係についてTMAを用いて検査する免疫組織化学染色を行う方針である。BRAFの免疫組織化学染色の染色方法については、メラニン色素の存在下では判定が困難な例があり改善すべく検討を行っている。爪のMelanomaに関しては、そもそも遺伝子解析が可能であるかどうかの検討を行っている。つまり、今後の遺伝子解析を行う上での下準備を行っている段階である。
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