研究課題
インターロイキン1(IL-1)とは、炎症性サイトカインの一種であり、統合失調症の病態への関与が示唆されている。インターロイキン1ベータ(IL1B)遺伝子と統合失調症の関連について、先行研究の多くは頻度の高い少数のマーカーを小規模サンプルで解析しており、一致した結果が得られていない。メタ解析ではrs16944と統合失調症の関連が示されたが、含まれた研究の数が十分ではない。そこで、IL-1が統合失調症に果たす役割を解明することを目的として、IL1B遺伝子の詳細解析と最新のメタ解析を実施した。2つの独立サンプル(1,229の症例・対照と112の発端者-両親トリオ)を用いて、12のマーカー(タグ一塩基多型、リシーケンスにより同定されたミスセンス変異)について関連解析を行った。また、rs16944のメタ解析(症例・対照8,724の症例・対照と201のトリオサンプル)を実施した。いずれの解析においても、IL1B遺伝子と統合失調症との有意な関連は認められなかったことから、統合失調症の発症リスクに対するIL1B遺伝子の寄与を支持する根拠は得られなかった。また、統合失調症の臨床病期(抗精神病薬未服薬の初発エピソード、長期服薬の慢性期)に特有の血清IL-1変化パターンを同定するとともに、血清IL-1に影響を及ぼす遺伝子変異を同定するために、血清サンプル収集を行ったが、現時点で目標数に到達しなかった。今後は、サンプルが集まり次第解析する予定である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (6件)
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