慢性ストレスはうつ病の主要なリスクファクタであるが,ストレスが誘導するうつ病(様)表現型の個体差とストレス負荷前に既に存在していた認知機能における個体差の関係については検討が少ない。本研究では,Progressive ratio (PR)スケジュールで訓練されたラットの欲求性オペラント行動における個体差に着目し,この指標が意欲の高さや意思決定スタイルの個体差を反映することを確認した。さらに,PR成績により分類された4つの亜群は,慢性ストレスに対してそれぞれ異なった反応性を短期的あるいは長期的に示した。これらの結果はストレス前の個体差からストレス反応性/脆弱性の個体差が予測できることを示唆した。
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