ストレスはうつ病発症の重要なリスク因子であり、動物においてストレスは脳神経を萎縮させ、神経新生を抑制することでうつ状態を誘発することが知られる。我々は (i) ストレスが脳内で過剰なグルタミン酸を放出させること、また (ii) それに引き続くATPの誘導を介して (iii) NLRP3が活性化されることで炎症性サイトカイン(interleukin-1β等)が脳内で産生され(脳内炎症)、(iv) 神経新生の抑制を生じる結果 (v) うつ状態を引き起こす、ことを明らかにした。これらの治験から、ATP-P2X7-NLRP3を介した経路がうつ病治療の新たなターゲットになる可能性を示した。
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