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2013 年度 実施状況報告書

外部環境が自発的情動性に及ぼす影響の分子基盤に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25861008
研究種目

若手研究(B)

研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

畠中 史幸  独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (00581703)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード意欲 / 環境 / 概日リズム / ストレス
研究概要

本研究では、環境により変化する自己の意欲を持って出力される行動に関わる自発的情動性が、脳を介してどのように処理・修飾されるかを分子レベルで解明することを目指す。
1.本年度は、外部環境、特に光環境の変化により最終的な出力系である行動にどのような変化が起こるかを、オープンフィールドテストおよび自発的活動量の測定ならびにスクロース消費テストを用いて解析した。3週間の通常明暗サイクル条件または恒常明条件下にてマウスを飼育した後、それぞれのマウス群を用いて、オープンフィールドテストおよびスクロース消費テストを行った。オープンフィールドテストでは両グループにおいて顕著な差は見られなかったが、スクロース消費テストでは恒常明条件下にて飼育したマウスにおいて通常明暗サイクル条件下のマウスに比べて、有意なスクロース消費量の減少が見られた。このことは、光環境の違いにより、意欲を持って出力される行動に変化をもたらすことを示している。
2.外界の環境と体内のリズムを同調させる機構は概日リズムシステムにより制御されている。我々は、新たに発見した時計遺伝子Chronoのノックアウトマウスにおいて、拘束ストレス後の血清中コルチコステロン量の上昇すること、さらにストレス反応依存的にChronoの遺伝子発現量が上昇することを明らかにした。このことは、外部ストレスと概日リズムの時計遺伝子が密接に関わっていることをあらわしており、外部環境と体内の生理現象の調節において、概日リズムシステムが大きく寄与していることを示している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

一年目の計画予定であった行動学的解析を一通り検討した。また新たに発見した時計遺伝子Chronoのノックアウトマウスにおいて、外部ストレスとの関係性を明らかにすることができ、これらの結果をPLOS Biologyにpublishすることが出来た。

今後の研究の推進方策

計画書どおり、外部環境により変化する生理ネットワークの解析を行う。すでに候補となる遺伝子のノックアウトマウスは入手している。また、1年目で変化が見られた意欲に関わる脳部位における遺伝子発現の変化や、血中ストレスホルモンなどの測定を行う。また、1年目で見られた行動変化において、その外部環境に暴露される感受性期の有無について検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A novel protein, CHRONO, functions as a core component of the mammalian circadian clock.2014

    • 著者名/発表者名
      Goriki A.*, Hatanaka F.*, Myung J., Kim JK., Yoritaka T., Tanoue S., Abe T., Kiyonari H., Fujimoto K., Kato Y., Todo T., Matsubara A., Forger DB., Takumi T.
    • 雑誌名

      PLoS Biology

      巻: 12(4) ページ: -

    • DOI

      10.1371/journal.pbio.1001839

    • 査読あり
  • [学会発表] 新たなコア時計遺伝子Chrono: A novel protein, CHRONO, functions as a core component of the mammalian circadian clock2013

    • 著者名/発表者名
      畠中史幸, 郷力昭宏, 内匠透
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド、神戸
    • 年月日
      20131203-20131206
  • [学会発表] 新たなコア時計遺伝子Chrono: A novel protein, CHRONO, functions as a core component of the mammalian circadian clock2013

    • 著者名/発表者名
      畠中史幸, 内匠透
    • 学会等名
      第20回日本時間生物学会学術大会
    • 発表場所
      近畿大学、大阪
    • 年月日
      20131109-20131110

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公開日: 2015-05-28  

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