健常ボランティア23例とアルツハイマー病患者19例にFDG-PET検査を施行し、血清中のBDNF(脳由来神経栄養因子)を測定した。FDG-PETで得られた糖代謝画像と血清BDNFの関連を解析した結果、アルツハイマー病患者では左尾状核の糖代謝と血清BDNF値の有意な負の相関が認められた。健常例では有意な相関は認められなかった。精神症状と血清BDNF値との関連は認められなかった。アルツハイマー病のエピソード記憶障害には尾状核が関連していることが示唆されており、その変性過程でBDNFが機序のひとつとして関連していることが考えられた。
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