研究課題/領域番号 |
25861018
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
土本 利架子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (70635474)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 双極性障害 / 脳磁図 |
研究概要 |
統合失調症と双極性障害は、長期的に患者のQOLが低下する精神疾患である為、早期より有効な治療を行う事が重要である。今回、我々は、これら精神疾患の診断や治療に有効な客観的指標となり得る神経生理学的検査として、脳磁図の測定を行った。これまでに、健常者32名、統合失調症40名、双極性障害30名を対象に頭部MRI、初回の脳磁図測定を行った。脳磁図測定については、聴覚刺激としてauditory steady state response (ASSR)、聴覚mismatch negativity (MMN)の2種類を施行。 現在、第1回目の脳磁図測定を行い、波形について解析中である。現時点では、先行研究の通り、ASSR、MMNに関しては、 統合失調症、双極性障害は健常者に比して反応が低下している傾向を認めている。症状との相関については、現時点では明らかではない。 本研究は、統合失調症、双極性障害の病態解明の一助となる可能性が高く、今後は治療による影響を検討していくことで臨床的な応用も十分可能と考えられる為、さらなる評価を進めていく方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現時点で、健常者32名、統合失調症40名、双極性障害30名について脳磁図測定が施行されており、それぞれについての結果の解析は現在進行中である。 治療による影響を検討する為、縦断的な評価を計画しており、さらなる脳磁図の測定、解析が今後必要である。
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今後の研究の推進方策 |
測定した脳磁図のデータについて、統合失調症、双極性障害それぞれに関して、治療による影響を検討することを予定している。当初の計画では、全対象者について6ヶ月後に再度脳磁図検査を施行し、縦断的に評価することとしていたが、当院での治療で症状軽快した後に、他の医療機関に転院することも多く、6ヶ月後もフォローできる対象者は限られており、計画の見直しが必要である。 対象者について、症状の変化により、脳磁図のデータがどのような影響を受けるか検討できるような方法を検討中である。
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次年度の研究費の使用計画 |
検査を行うに当たって必要な謝金、物品に関しては、既に進行している他の研究と同時に行うことが殆どであった為に、平成25年度は、これらについて本研究費を使用することなく経過した。 結果の十分な検討が進んでいない為、平成25年度は学会や学術誌へ研究成果を発表することは困難であった。 脳磁図測定、及び得られたデータの解析、評価を進める為、謝金、物品費などが必要となる。 平成26年度は、得られた研究成果を発表する為、学会参加を積極的に行っていく予定である。学術誌への発表の準備も進めていく。
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