パニック症の脳基盤を明らかにするため、MRIを用いて脳構造の変化を評価した。また、臨床で認められる性差の脳基盤の評価を行った。さらに、脳構造変化と、症状との関連がつよい自律神経機能や内分泌機能との関連や、臨床症状との関連を探求した。その結果、パニック症では眼窩回を中心として上前頭回や帯状回、上側頭回などに灰白質容積の減少および皮質厚の浅薄化が認められることが判明した。また、女性患者は男性患者と比べ、より広範囲に脳灰白質容積減少が認められることが判明した。生理機能に関しては、健常群とパニック症群では、自律神経機能、内分泌機能ともに有意な差は認められず、脳容積との関連も認められなかった。
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