研究概要 |
オリジナル版「Jcores」を用いて認知機能リハビリテーションを実施する群(介入群)と通常の外来治療を継続する群(対照群)に年齢と性別を層別化した上で無作為に割り付けた。 対象者については,介入群は10名(平均年齢36.8±9.8歳),対照群は9名(平均年齢39.0±8.3歳)で合計19名であった。 群の等質性の検討に関しては,群を独立変数,demographic data(年齢,性別,未治療期間,罹病期間,入院月数,教育年数,JARTの合計得点,クロルプロマジン換算及びビペリデン換算を実施した服薬量)を従属変数としt検定を行った。この結果,クロルプロマジン換算した服薬量が介入群より対照群において有意に高かった(t=-2.58, p<0.01)。また,その他のdemographic dataに有意な差は認めなかった。 群別にみる介入前後の各評価尺度得点および検査得点の検討に関しては,群を独立変数,介入前後の各評価ツールの得点差を従属変数とし,クロルプロマジン換算した服薬量を共変量とし,共分散分析を行った。この結果,いずれの変数においても両群に有意差は認めなかった。 また介入群10名のうち7名と,対照群9名のうち7名に対して介入前後でNIRSを用いて文字流暢性課題遂行中の脳血液量変化を測定した。なおNIRS装置は左右前頭前野を中心に合計24チャンネルについて計測を行った。群を独立変数,介入前後の各チャンネルのoxy-Hb濃度変化量を従属変数とし,クロルプロマジン換算した服薬量を共変量とし,共分散分析を行った。この結果,CH21(左背外側前頭前野)において介入群は対照群より課題遂行中のoxy-Hb濃度に有意な変化がみられた(F=8.67, p<0.05)。
|