本研究では、統合失調症の神経発達障害とカルボニルストレスとの関係を明らかにするため、カルボニルストレス性統合失調症患者由来のiPS細胞を用いて、神経分化効率の解析及び神経分化に影響を与えるAGEs(終末糖化産物)の同定を行った。解析の結果、患者由来のiPS細胞では、①神経細胞の発達に関わるタンパク質のAGE化が亢進していること、②ニューロスフィア(神経幹細胞の細胞塊)への分化効率が低下すること、③カルボニルストレス阻害剤(ビタミンB6)を培養液に加えることで、ニューロスフィアへの分化効率が回復することが認められた。
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