sense of agencyを定量評価する心理課題をうつ病患者17名に施行し、健常者(21名)と同様の修飾作用がうつ病患者では認められないことを明らかにした。次に共感性を定量評価するための課題を確立し、健常者12名を対象にfMRI実験を行ったところ、主観的共感性が他者よりも自らが行った行為に伴う結果に対して増強することが確認された。さらに[11C]FLB457を用いたPETによって測定したドーパミンD2受容体と前頭葉機能の関連を検討したところ、右前頭前野におけるD2受容体密度と前頭葉機能との間に負の相関が認められた。以上よりドーパミン神経伝達による主観的体験の制御機構の一端が明らかにされた。
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