てんかん患者にはさまざまな精神症状がみられるが、その発現機序は不明である。本研究では、てんかん外科治療を受ける患者に対して、術前、術後3か月時、術後1年時、術後2年時に精神医学的評価を行った。術前および術後3か月時が93名、術後1年時が67名、術後2年時が24名で評価を終えた。このうち、術前と術後3か月時に精神医学的評価を実施した側頭葉てんかん患者53名について予備的調査を行った。その結果、53名中19名で術前あるいは術後に何らかの精神疾患がみられ、術後新たに精神疾患が出現した3名中2名は術前から抑うつ、不安の傾向がみられ、評価した被験者全体としては術前より術後3か月時に気分の改善がみられた。
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