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2014 年度 実施状況報告書

低酸素癌細胞に対する放射線治療~生物学的に最適な線量投与法の確立~

研究課題

研究課題/領域番号 25861046
研究機関北海道大学

研究代表者

安田 耕一  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (00431362)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード低酸素イメージング / FMISO
研究実績の概要

平成26年度は、引き続き頭頸部癌患者における治療前FMISO-PETの集積と再発の関連性の解析をすすめ、FMISO集積の強さに応じた再発率を解析するとともに、低酸素領域に線量を増加させるプランニングシミュレーションを行い、臨床応用に関わる課題を検証することを目的とした。
FMISOの集積値に応じた再発率の解析について、voxel毎の解析データを統合し、FMISO集積の強さに応じた再発率の解析を進めている。2015年3月の段階で、再発例8例、無再発例6例でのデータ処理が終了している。これらのデータを統合し、医学統計学分野の伊藤陽一准教授らとともに統計学的解析を行っている。
一方、頭頚部癌でFMISO-PET画像とCT画像を活用した放射線治療計画のシミュレーションが複数例で実施されたが、実臨床に応用するにあたり、特にターゲットとなる低酸素領域への線量増加に関して、どの程度の照射中のずれ(エラー)を勘案し、どの程度のマージンを付けるのかが重要な課題と考えられた。そこで、過去の頭頚部癌の放射線治療患者のデータからずれを解析した。対象は照射前後にリニアック搭載型Cone Beam CT(CBCT)を撮像した頭頸部癌患者。照射期間全体における毎回の照射時のずれに関しては11例、特定の照射日における照射中のずれに関しては8例においてデータ解析が行われた。両者のずれを統合し、最終的にシステマティクエラー(Σ)とランダムエラー(σ)に分けて解析したところ、背腹方向はΣ=0.07(cm), σ=0.08、頭尾方向はΣ=0.05, σ=0.07、左右方向はΣ=0.07, σ=0.08であった。これをもとに正規分布を作成し、マージンを0.1cm、0.2cmにした場合のシミュレーションを行ったところ、0.1cmの場合は6~7割、0.2cmの場合9割以上の確率で、マージンに内包されると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究内容はおおむね当初の計画通りに進んでいる。voxel解析はおおむね順調に行われており、さらに医学統計学分野の伊藤陽一准教授の協力が得られ、より専門的な統計解析が行われている。また、当初の予定通りプランニングシミュレーションが行われ、さらに実臨床への応用に関して、ずれとマージンに関する検討がなされている。また、この結果は2014年12月11-13日に横浜で開催された、日本の放射線治療の最高峰の学会である、日本放射線腫瘍学会第27回学術大会で口演発表されている。

今後の研究の推進方策

H27年度の課題として重要なのは、最適な投与線量を検討することである。このためには、voxelデータ解析を完成させ、H26年度に得たズレとマージンの基礎データを活用しつつ、検討する必要があると考える。最終年度であるH27年度は、当初の予定通り、前向き臨床試験を検討し、一連のフィージビリティスタディーを完結させ、研究内容を取りまとめて、論文作成に着手する予定である。

次年度使用額が生じた理由

旅費が予定よりもやや少なく、人件費・謝金が生じなかったため、次年度使用額が発生した。

次年度使用額の使用計画

H27年度は、海外での発表を予定しており、旅費で使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] CTVがOARに近接する際にCTV-PTVマージンを狭く設定した場合の影響2014

    • 著者名/発表者名
      安田耕一、土屋和彦、鬼丸力也、原田八重、原田慶一、西川由記子、木下留美子、辻真太朗、堀田賢治、鈴木隆介、白土博樹
    • 学会等名
      日本放射線腫瘍学会第27回学術大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
    • 年月日
      2014-12-11 – 2014-12-13

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公開日: 2016-06-01  

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