研究課題
平成27年度は、引き続きFMISOの集積の強さに応じた再発率の解析をすすめ、プランニングシミュレーションおよび、前向き臨床試験の実現可能性について検討した。FMISOの集積の強さに応じた再発率の解析に関して、再発例、非再発例におけるvoxel解析の結果をまとめた。再発例の解析において、ロジスティック回帰分析の結果、FMISO集積の強いvoxelは、再発の部位に一致する可能性が高いことが示された。オッズ比は18.3(16.8-19.9)と計算され、voxelが再発に一致する確率が50%となるFMISO集積の強さは、Tumor-to-muscle ratioで1.45であった。これらの結果は、放射線治療の分野で世界最高峰の学会である第57回米国放射線腫瘍学会(2015年10月18日から21日)に演題採択され、公表された。現在、非再発例を含めた結果に関して論文作成を進めている。放射線治療のプランニングシミュレーションに関し、すでに複数例において強度変調放射線治療(IMRT)での線量増加シミュレーションを終えている。画像の取り込みから登録、ターゲットの設定、線量の投与など一連の工程を確立した。一方、スポットスキャニング陽子線治療における線量投与の方法に関して、シミュレーションに着手している。1症例においてIMRTとスポットスキャニング陽子線治療の線量分布、リスク臓器への線量の比較などを施行した。前向き臨床試験の実現可能性について、医療統計学分野の伊藤陽一准教授や放射線医学分野の白土博樹教授とのディスカッションを複数回実施した。
すべて 2015
すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)