研究課題/領域番号 |
25861048
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
寅松 千枝 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 主任研究員 (90421825)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 陽子線治療 / 認証システム / 短飛程照射 |
研究実績の概要 |
陽子線の低エネルギー照射に必要な飛程補償器具・ビームシェーパの設計を行った。 ビームの特性、最適なエネルギー吸収体の厚み・形状・設置方法を考慮し、それぞれの臨床的使用目的に合わせたボーラスサンプルを数種類設計した。そして患者オーダーメイド医療機器のメーカである.decimal Incの協力により、ワックス掘削機器を用いて症例ごとのサンプル制作した。また、治療計画機にボーラス作成とそれを取り込んだ時の線量分布を計算する機能を搭載した。 陽子線治療システム・位置合わせ用X線装置を導入し、患者側に飛程補償器具を設置した場合の位置合わせ精度を確認した。ビームを用いた線量分布測定として、陽子線治療システムのビーム試験を行う時期に、設計した飛程補償器具を使用した場合の線量分布測定を行った。水等価ファントム内に、2Dイオンチェンバアレイの線量計を挿入し、治療計画と実際の絶対線量と線量分布の比較検証を実施した。また、患者毎の飛程補償具の間に、バーコード管理をするなどの認証機能を設ける。治療計画装置、陽子線治療システム運転装置、北大内の放射線治療マネジメントシステム(MOSAIQ)との接続試験を行い、認証手順を作成した。 更に、照射装置側に取り付ける、飛程補償器具であるリッジフィルタのデザインを設計した。新しいリッジフィルタのリップルのデザインとその有効性をモンテカルロシミュレーションを用いて検証し、知的財産として特許申請を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属機関を移動し、本研究を陽子線スポットスキャニング照射だけでなく重粒子線スポットスキャニング照射の低エネルギー照射にも発展させることとした。所属を移したことで、研究成果の纏めに遅れが生じ、論文投稿や学会発表などで成果報告する時期がずれてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の成果をまとめ、今後は成果報告を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属施設を移し、本研究を陽子線スポットスキャニング照射技術だけでなく炭素線スポットスキャニング照射技術における短飛程照射技術の開発に発展させることとした。そのため研究成果の取りまとめに遅れが生じ、論文投稿費や学会発表の旅費として確保していた予算が未使用となった。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究成果を投稿論文として取りまとめ、日本医学物理学会等で学会発表を行う。 論文投稿費や出張旅費として使用する計画である。
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