研究課題/領域番号 |
25861053
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
吉野 浩教 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (10583734)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 放射線 / 自然免疫 / パターン認識受容体 / Toll様受容体 / RIG様受容体 / 病原体関連分子 / JNK |
研究概要 |
パターン認識受容体は病原体に普遍的に存在する分子(病原体関連分子)を認識するための受容体で、病原体に対する生体防御として重要な役割を担っている。研究代表者はこれまでに、自然免疫担当細胞に発現するパターン認識受容体に及ぼす放射線の影響を検討し、放射線がパターン認識受容体に及ぼす影響は免疫細胞の分化段階に依存し、放射線暴露マクロファージではToll様受容体4(パターン認識受容体の一種)の病原体関連分子に対する応答性が低下することを明らかにした。がん治療後の再発予防などの良好な予後を考える上で、免疫力の改善・強化は極めて重要な課題である。そこで本研究では、放射線によるToll様受容体の応答性低下の原因解明とその改善を目指す。さらに免疫細胞のパター認識受容体の中で放射線による影響を比較的受けにくいRetinoic acid-inducible gene (RIG)様受容体に着目し、がん細胞におけるRIG様受容体の応答性およびその応答性に及ぼす放射線の影響を解析する。 平成25年度は,以下の2点について検討を行った。まず免疫細胞での放射線によるToll様受容体4の応答性低下の原因を調べるために、MAPキナーゼに着目し検討を行ったところ、放射線照射後のToll様受容体の発現制御にJNKが関与することが明らかとなった。次に、RIG様受容体のがん細胞での応答性をヒト肺がん細胞A549を用いて検討したところ、RIG様受容体のリガンドはA549細胞の細胞増殖を抑制することが明らかとなった。さらにこの抗腫瘍効果におよぼす放射線の影響を検討したところ、放射線はRIG様受容体のリガンドと相加的に作用し、A549細胞の細胞増殖を抑制した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、免疫細胞におけるToll様受容体4の応答性低下の原因としてJNKの関与を明らかにした。さらに、放射線がRIG様受容体のリガンドと相加的に抗腫瘍効果を示すことも明らかにするなど、研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、平成25年度の研究成果よりToll様受容体4の応答性低下の原因因子として明らかになったJNKの制御機構について解析を行い、その機構を調節する生理活性物質を用いて応答性低下の改善を目指す。さらに、RIG様受容体のリガンドと放射線の併用による相加的な抗腫瘍効果について細胞死解析などの詳細な解析を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究が順調に進展し、また一部研究内容の順序を変更したため、平成25年度の支出が予定より少なくなった。 この使用残については、平成26年度の研究に必要な物品費として使用する。平成26年度の研究費は、当初の計画通り、研究用試薬ならびに研究の遂行に必要な物品費、論文作成・英文校正用の費用、国内外学会発表用の旅費として使用する予定である。
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