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2015 年度 実施状況報告書

金属マーカーを用いない非侵襲的ハイブリッド型マーカーレス動態追尾照射の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25861055
研究機関弘前大学

研究代表者

川口 英夫  弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20587654)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード定位放射線治療 / 動態追尾 / 呼吸移動 / 肺癌
研究実績の概要

本研究の目的は、現在開発中であるリニアック及びマルチリーフコリメーターを用いた動態追尾照射において、侵襲的な金マーカーを留置することなく動態追尾を達成するための基礎的データ収集を行うことである。
初年度の平成25年度では、研究実施計画書に基づき、患者の同意を得た上で肺腫瘍の体幹部定位放射線治療症例に対して体外面より金マーカーを刺入し、バイプレーン型血管造影用X線透視装置を用いて体表マーカー・肺内金マーカーの動きを撮影する予定であった。しかし体外面からの刺入は気胸などの有害事象は発生するため侵襲的であり、同意された症例が長らく存在しなかった。そのため比較的侵襲の少ない経気管支鏡下に金マーカーを留置する方針に変更した。撮像は0分・10分・20分時点で各1分、秒間7.5フレームで動画形式で取得した。2年目は引き続き症例集積を継続し、画像の解析を行った。DRRと投資画像では秒間のフレーム数に開きがあり、また解像度の違いもあることより完全に同一な画像は得られなかった。また0分・10分・20分では照射中のずれ(intrafractional motion)を認めた。透視画像上では軟部陰影の形態に変化が生じており、筋緊張の程度による変化が示唆された。しかし症例集積数が少なく、特定の傾向を見出すことが困難であった。
3年目は症例集積に努めたが同意を得られた症例がおらず、これまでの画像解析を継続して行った。動態ファントム実験に移行する予定であったが、ワシントン型4Dファントムの動作に問題が生じており、補助事業期間を1年延長してファントム実験を行う方針に変更した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

金マーカーを留置した患者で同意を得られた症例が本年度は存在せず、データ収集に支障が生じている。またワシントン大学型4Dファントムの動作に問題が生じており、動態ファントム実験が開始されていない。

今後の研究の推進方策

症例集積については関連各科に依頼し積極的に同意を得るよう努め、症例集積とデータ解析を並行して行うが、予定を1年延長している状態であり集積できなかった時の対策を考える必要がある。横隔膜と腫瘍性移動の予測に関しては別途に臨床で行っている透視のデータを使用する、もしくは金マーカーなしの症例でバイプレーン型透視装置を用いて計測するなど、選択症例を別途に設定して症例数を増やし、腫瘍性移動と横隔膜移動の相関を導き出す工夫が必要かもしれないと思われる。また動態ファントムの修理を行い、ファントム実験への早期移行に努める。

次年度使用額が生じた理由

動態ファントム実験に移行しておらず、ファントム関連の支出が行われていない。また最終解析に用いる器具やソフトを購入していない。

次年度使用額の使用計画

動態ファントム実験が開始次第、必要物品の調達を行う。また解析に用いる器具は速やかに購入する。

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公開日: 2017-01-06  

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