腫瘍微小環境における低酸素状態はがん放射線治療の抵抗因子となる。近年開発された薬剤LW6は、抵抗性獲得の一端を担うHIF-1αの蓄積を阻害することで低酸素腫瘍の治療抵抗性改善に働くことが期待される。 ヒト肺腺癌A549細胞を用い、LW6を培地中に投与して通常酸素または低酸素(1% O2)下で培養し、アポトーシス解析とミトコンドリア膜電位を評価した。結果、LW6が低酸素細胞選択的にミトコンドリア膜電位の脱分極を介して活性酸素種(ROS)産生を増強し、アポトーシスを誘導することが明らかとなった。 LW6は、特に腫瘍組織中の低酸素細胞を標的としたがん治療への新たな戦略のひとつとなる可能性を有する。
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