研究課題/領域番号 |
25861058
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 菜緒子 東北大学, 大学病院, 助教 (90535064)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高分解能 / 再現性 |
研究実績の概要 |
平成26年度には、新鮮摘出標本を3例で撮像した。 乳癌標本は手術で摘出後ただちに37度生理食塩水内に保管し、30分以内にMRI室に移動させた。20cm長径の容器の真ん中に標本を設置し、臨床での撮像と同様の撮像を行った。 生体内での撮像にくらべ、標本の拡散強調画像からのADC値は低くなる傾向があることがわかった。手術での摘出により、血流が遮断され、梗塞と同じような変化(細胞性浮腫)が起きていることが推測された。現在、標本内の浸潤成分、非浸潤成分に分けて、ADC値の変化を検証中である。 臨床症例では、片側乳房にfield of view (FOV)を絞った拡散強調画像を追加で撮像しはじめた。範囲を両側から片側に小さくして撮像することにより分解能の向上が期待される反面、ゆがみの増強やADC値自体への影響が懸念された。値とゆがみの関連について検討中である。 また複数のb値で撮像することにより、異なるb値からADC値を測定し、病変の鑑別に有用なb値の組み合わせを検討中である。ADC値と予後因子との関連については、病理標本から算出される細胞増殖因子(Ki-67 labeling index)との相関について検証した。乳癌の中で最も頻度の高いサブタイプ、ルミナルタイプでは、ADCはKi-67 と相関することがわかった。このサブタイプでは、ヒストグラム解析を行うことにより、内部が比較的均一であり、通常のROIの平均値で十分Ki67と相関することが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
至適撮像法について、複数の撮像方法で症例を蓄積し、検討である。
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今後の研究の推進方策 |
高分解能の撮像方法が、ADC値およびゆがみに与える影響を画質評価、および診断能で評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
高分解能の撮像方法で症例を撮像、蓄積したため、解析装置の購入に至らなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度解析の開始に当たって、画像解析装置の購入や病理との対比のための細胞密度計測装置を購入する予定である。
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