現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は拡散強調画像の新たな撮像法であるTSE法を導入した。手術前にMRIを撮像する乳癌患者、全症例で従来法EPI法に加えて2つの方法を撮像し画像を取得した。EPI法はb値0,50, 100,200, 850, 1200、TSE法は0,50,600,800で撮像している。画質評価として、それぞれの撮像法で、contrast-to-noise ratio (CNR), signal-to-noise ratio (SNR), coefficient of variation (CV), 歪み率を計測し、比較した。CNRはp=0.01, SNRはp<0.0001、CVはp<0.0001、歪み率はp=0.0004でTSE法の法が有意に画質が良好であることが確認された。診断能の比較としてductal carcinoma in situ (DCIS)とinvasive ductal carcinoma (IDC)の間で値の検証をした。このときにADC値測定ではregion of interest (ROI)の置き方が問題となるため、全腫瘍体積のADC値をvoxelベースで計測し、ヒストグラム解析を行った。EPI法では25th, 50th percentile 値がDCISとIDCの間で有意差があるのに対し、TSE法では10th, 25th, 50th percentile 値で有意差が認められた。TSE法のほうがrobustであることが確認された。現在、病理学的細胞密度測定を行い、いずれの方法のいずれのb値を用いるADC値測定が病理学的細胞密度と相関するのか、検証中である。
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