研究課題
若手研究(B)
筑波大学附属病院に於いて、これまでに陽子線治療・X線治療・術中照射が施行されたすべての症例の抽出を行った。抽出した症例について、その照射範囲・照射部位・照射線量から予想される治療効果・晩期有害事象について個々に予測し、当院での追跡症例については診療録・画像所見から治療効果、再発の有無、晩期有害事象の有無とその程度についてデータを収集した。また、当院以外で経過観察が行われている症例については、解析に必要な所見・データなどを選択して、診療情報の提供及び必要に応じた追加検査を依頼した。収集された晩期有害事象のデータは部位や程度に応じて数値化している。また、データの数値化と平行して、有害事象の出現部位・程度と放射線治療の施行部位・線量などとの関連性を明確にするために、治療施行時の画像所見と現在の有害事象出現時の画像所見との重ね合わせ作業の方法について検討している。これらの解析結果を元に、現在陽子線治療を施行中の症例についての、治療前~治療終了後の評価項目についても小児内科・脳神経外科などの関係各科とその実現可能性も含めて検討を進めている。この結果をもとに、次年度にはDose Volume Histogram (DVH)と晩期有害事象の相関を解析し、データーベースを作成し、陽子線治療の照射部位・照射線量から有害事象を予測するプログラムを作成する。そして、陽子線治療の最適な照射方法を考案し、現在行われている小児に対する陽子線治療の治療計画に反映する。
2: おおむね順調に進展している
追跡調査で収集した当院・他院の診療データを元に、放射線腫瘍科・小児内科・脳神経外科で協議し、今後の追跡調査・陽子線治療前後の評価項目を照射部位別に設定した。従来の追跡調査票では、新規に設定した評価項目の一部が含まれていないため、新たな追跡調査票を作成・郵送して新規データの収集を開始した。また、腫瘍及び腫瘍周辺の正常組織の照射線量を正確に測定するために、過去の治療データのDVH解析を現在の新型治療計画装置を用いて再計算した。現時点で、脳腫瘍に対するDVH解析を陽子線治療・放射線治療の治療計画装置を用いて再計算し、陽子線治療のメリットについて評価を行った。新規データの収集、胸部・腹部腫瘍に対するデータ解析を進める必要があると思われるが、概ね予定通りに研究が進んでいるものと思われる。
追跡調査で得られた結果から、正常組織に対する照射範囲・照射線量・照射時の年齢と照射による晩期有害事象の相関をX線治療と術中照射、陽子線治療のそれぞれの照射法による有害事象を比較し、統計ソフトを用いて評価し、データーベースを作成する。
医療画像解析ワークステーション購入を検討中のため追跡調査の結果に合わせて、画像解析ワークステーションを購入予定
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (19件) (うち招待講演 18件)
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