研究課題
当院で陽子線治療、放射線治療を施行した脳腫瘍について、陽子線治療と放射線治療の比較・再現を実施した。再現の結果、小児脳腫瘍に対する陽子線治療は照射方法に関わらず、通常の放射線治療と比較して、正常組織に対する照射線量を低減できることが明らかなとなった。また、陽子線治療後の治療効果及び有害事象のデータ集積を他施設への追跡調査から施行した。現在、治療計画の再現結果と追跡調査及び当院のデータベースからの治療効果・有害事象の結果の因果関係について解析中である。陽子線治療と放射線治療の計画上の違いと実際の事象の関連性を数値化し、有害事象の予測プログラムを作成予定である。また、脳腫瘍以外の小児腫瘍についても、その治療効果・有害事象の項目を放射線腫瘍科・小児内科で協議のうえ設定し、追跡調査を施行した。追跡調査の回収率は現時点で70%であるため、引き続き調査の継続を行うこととした。また、脳腫瘍と同様に陽子線治療と放射線治療の再現・比較を行うため、小児腫瘍を腫瘍の部位・治療方法などで分類して、分類ごとに解析を進める方針とした。治療計画の再現・比較については、実際の治療計画用画像を解析可能な形に変換中である。また、脳腫瘍以外の腫瘍については、それぞれの局在ごとに評価すべき正常組織が異なるため、評価すべき正常組織の選定及び評価の際の評価基準について、現在小児内科と協議を進めている。治療計画用データの変換が終了し次第、順次治療計画の再現を行い、収集済みの実際の臨床データとの関連性の評価を行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
他施設への追跡調査を行い、現時点で70%程度のデータを回収した。現在、当院でのデータと他院追跡調査の解析を行っている。また、脳腫瘍に対する陽子線治療と放射線治療の再現・比較を行い陽子線治療の有効性について、国際学会・英文誌にて発表した。脳腫瘍以外の小児腫瘍に対する、陽子線治療と放射線治療の再現・比較試験も同様に行う予定で、他施設のデータは上記追跡調査で同様に収集を進めると同時に、実際の治療計画装置を用いて、陽子線治療と放射線治療の比較・再現を行う予定である。
小児脳腫瘍については、陽子線治療と放射線治療の比較データと実際の有害事象値の相関関係を照合して、データベースを作成する。脳腫瘍以外の小児腫瘍については、引き続き陽子線治療と放射線治療の再現・比較を進める。
論文掲載料について確定するのが遅かったため
現在、中間データでの論文を作成中であり、今年度中に国際雑誌に投稿予定です。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
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