研究課題/領域番号 |
25861069
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
岡野 奈緒子 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (00647349)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 放射線抵抗性細胞 / FACS / CD133 |
研究実績の概要 |
ヒト非小細胞肺癌株であるA549、H460細胞の重粒子線とX線での生物学的効果についてRBEの測定を行い、各種実験条件を検討していたが、その途中経過で細胞保存設備の故障のため、再度、細胞を入手し、その細胞についての基礎的データを収集することから再スタートすることとなった。再度、照射条件、培養条件を検討する予備実験を進めている。再度、現細胞に於ける重粒子線のRBEを測定するためにX線での実験条件の調整を先に行うことが必要で、その結果から重粒子の実験申請が可能となるため、まずはX線での生残率曲線を出して、10%生残率となるところでCD133抗体陽性細胞の割合を調べている。CD133抗体陽性細胞を良い条件で取り出すことが出来ず、そのために難渋していたところであった。CD133抗体陽性細胞の割合が、照射後の時間経過によって差があるのか、その差がある場合にはどのタイミングで今後の放射線抵抗性細胞として使用していくのかなどを決定する必要がある。それらに違いがあるのかどうか、検討が必要である。コロニーアッセイを行っている以前の重粒子照射の予備実験の際に付随して行っていた、ヒト正常肺由来細胞のRBEの測定実験について、測定方法を新たに検討したが、同実験結果について海外学会で発表した後、論文を作成、投稿し、Experimental and therapeutic medicine誌にacceptされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
重粒子線実験施設、動物実験施設のスケジュールや工事移設などの当初予定外のスケジュールのため、実験の制限があったことと、細胞を保存していた設備の故障のため、再度細胞を入手するところから始まり、予備実験を必要とした。その上で、それに比しての研究時間が十分に確保できなかった事があり、この点については相談し、調整しており、改善傾向に有る。
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今後の研究の推進方策 |
重粒子線施設については可能な範囲での実験の調整とする(vivoの重粒子線を照射する実験は中止する必要あり)、動物実験施設は工事が終わり、徐々に受け入れ可能となっているので、合わせてすすめる。細胞を入手し、予備実験から再度行っていく。まずはX線での結果をしっかり確立して、その後in vitroの重粒子線照射までは行う。vivoの実験については、その結果をしっかり確立したところで予定することとした。
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次年度使用額が生じた理由 |
再度リスタートしての実験を要することとなったため、改めて各種実験材料の購入の必要性が生じたため。次年度については現状までの実験と比較して実験が進行し、新たな物品が必要になると考えられる。条件の調整などのために当初の予定外の物品が必要となる可能性がある。
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次年度使用額の使用計画 |
現実験の実験条件の調整による安定した実験結果を得ることがまず目標であるが、現在行っているCD133のみでは不十分である可能性が高い。他の抗体試薬も合わせて検討が必要。また、実験細胞の保存について環境の整備が必要である。
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