研究課題/領域番号 |
25861070
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
田巻 倫明 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20400749)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 放射線治療 / 生物効果線量 / 線量分布 / 合成分布 / 子宮頸癌 / 体外照射 / 小線源治療 |
研究実績の概要 |
平成27年度には、平成26年度に解析した子宮頸癌に対する放射線治療における体外照射と子宮腔内照射の生物効果線量(Biological effective dose)分布に関する成果を97th Annual Meeting of the American Radium Societyにて発表した。またその成果を報告した論文がJournal of Radiation Researchにアクセプトされ出版された。(Tamaki T, et al. Filling the Gap of Central Shielding: Three-Dimensional Analysis of EQD2 Dose in Radiotherapy for Cervical Cancer with the Central Shielding Technique, Journal of Radiation Research 2015;56(5):804-10.) 更に臨床への応用を高めるために、臨床症例のデータを基に作成した腫瘍モデルにおける生物効果線量体積ヒストグラム(biologically effective dose-volume histogram, BEDVH)解析を進め、中央遮蔽を用いた骨盤照射の影響を解析した。子宮頸癌に対する放射線治療の本邦からの過去の報告では、中央遮蔽を用いた骨盤照射によって腫瘍に投与される線量が解析されず、その線量が考慮されずに報告されてきた。これに対し欧米の専門家から批判されることがあったが、本研究で解析された結果はこれまでの本邦の報告結果を解析する上で有用な結果となった。その成果は日本放射線腫瘍学会小線源治療部会第17回学術大会のシンポジウムにて発表され、現在、論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成27年度、研究代表者(田巻倫明)の埼玉医科大学から福島県立医科大学へ異動に伴い、使用できる設備などの変化があり、進捗にやや遅れが生じた。現状は既に報告済みであり、28年3月に補助事業期間の延長が承認された。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果の学会発表、論文発表を継続していく予定である。強度変調放射線治療、画像誘導小線源治療についてもBEDVHを進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者(田巻倫明)の異動もあり、研究活動の若干の遅れが出た。また、昨年度報告した通り、現在使用中プロクラムの拡張機能を生かし解析方法を開発することで支出の削減ができた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降の学会発表、論文発表および解析作業の継続し、それらの研究活動に予算を充てていく予定である。
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