子宮頸癌に対する放射線治療では体外照射と子宮腔内照射を組み合わせて治療されるが、その治療効果を総合的に評価する手法は確立されていなかった。本研究では総合的な物理線量分布の評価のみならず、3次元的な生物効果線量分布を表示し評価する手法を確立し、報告した。その結果、本邦で行われている中央遮蔽骨盤照射と子宮腔内照射を組み合わせた治療での3次元的な生物効果線量評価が可能となり、本邦での治療法の有効性が示された。この解析は、子宮腔内照射法の標準化を目的としたICRP Report 89(2016年 国際放射線単位・測定委員会出版)でも引用され、放射線治療の線量評価法の標準化に大きく貢献した。
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