子宮頚癌の根治治療において腔内照射は欠かせない治療法であるが、患者にとっては身体的にも精神的にも苦痛が大きい。患者の苦痛を軽減し、適切なアプリケーター配置を達成するためにも、十分な除痛・鎮静処置は必須である。ところが、わが国では多くの患者が鎮静・鎮痛の前処置を受けていない。欧米諸外国では麻酔科管理による全身麻酔や硬膜外麻酔が一般的である。確かに、麻酔科医による管理が理想的であるが、様々な問題から麻酔科管理はすべての施設で行えないことが多く、放射線治療医が施行しているのが現状である。そこで当院の麻酔・疼痛・緩和医療科と共同で、プロポフォール、ケタミンを組み合わせた静脈麻酔の方法を開発した。この組み合わせは他の部位については、有効性が認められている組み合わせであるが、腔内照射の際に用いた報告は少なく、本研究の独自性の一つである。当院での経験をまとめ、有効性・安全性、患者満足度等の評価を行った。その結果をまとめ、英文雑誌に採択された。 また、本鎮静法を用いた画像誘導小線源治療についても研究を進め、国際学会発表を行った。
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