反射型プローブを用いて組織のヘモグロビンを測定する近赤外光時間分解分光計測は測定対象部の後方に強い吸収体がある場合はこれに影響される。乳癌のヘモグロビン濃度測定においては胸壁の筋肉が吸収体となり、プローブから胸壁筋肉までの距離が小さくなるにつれて総ヘモグロビン量は大きく測定される。閉経前後で正常乳腺の総ヘモグロビン量が異なるため、皮膚胸壁間距離および閉経の状態を加味することにより、乳癌と正常乳腺のヘモグロビン濃度の比較がより正確に評価できると考えられた。このような解析を行った結果、乳癌全例において正常乳腺より高い総ヘモグロビン量を示すことを明らかにし論文発表した。
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