非造影MRIで、左胃静脈の血流の方向の変化を捉えて、食道静脈瘤の発現を予見できるか検討した。まずはTagパルスを用いて血流の向きの情報を含んだ左胃静脈を描出させること方法を検討し、確立させた。さらにPhase contrast法を使用して、左胃静脈の具体的な流速を求めることもできた。門脈圧亢進が原因で、左胃静脈の血流の向きが順行性から逆行性に変化することで、食道静脈瘤が発現すると仮説を立てていたが、健常者でも左胃静脈の血流は停滞していたり、一時的に逆行性になっている例が存在し、左胃静脈の血流の変化を捉えることだけで、必ずしも食道静脈瘤の発現を予見できない可能性がある。
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