研究概要 |
【目的】O15標識ガス定常吸入法を用いて担癌ラットの腫瘍血流量(TBF)、腫瘍酸素消費量 (TMRO2)、腫瘍酸素摂取率(OEF)の定量評価を行う。 【方法】麻酔下のRGC6腫瘍担癌ラット3匹 (276-291g)に動脈ラインを確保し、気管切開 を行った。O15ガス供給装置からのルートを人工呼吸器に接続し、O15-CO2とO15-O2の安定した換気を行い、定常吸入法による腫瘍血流・酸素代謝のPET定量計測を行った。定常状態の確認後、入力関数として動脈採血を行い、全血・血漿のRIカウ ントを測定した。PET画像にて腫瘍全体と腫瘍辺縁部に関心領域を設定して、定量値を比較した。 【結果】O15-CO2ガス、O15-O2ガスはいずれも吸入開始10分後に腫瘍のカウントは定常状態に達していた。腫瘍の定量値は以下の 通りであった(TBF, 15.4 ± 3.5 and 23.5 ± 6.2 mL/100ml/min (p<0.05); TMRO2, 0.79 ± 0.15 and 1.06 ± 0.18 mL/100ml/min (p<0.05); and OEF, 32.8 ± 9.1 and 28.4 ± 8.1 % (p<0.05)。腫瘍辺縁部では酸素代謝に比較して、血流が豊富であることがわかった。今後、腫瘍内の低酸素領域をF-MISO製剤にて同定を行い、比較を行う予定である。
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