研究課題
本年度は、慢性閉塞性肺疾患における3次元的な運動解析の研究に対し、昨年度までの結果を踏まえ、新たな解析を加え、3次元的な呼吸運動解析の有用性に対する検討を行い、① 慢性閉塞性肺疾患の重要なパラメーターである1秒量に対して3次元的な運動解析により得られたY軸方向の運動要素は独立したパラメーターであること、② 3次元的な呼吸運動パラメーターを用いた場合、従来用いられてきたCTで得られる定量的なパラメーターよりも慢性閉塞性肺疾患における臨床分類との対応が良好である、という結果が得られた。これらの結果からは、3次元的な呼吸運動評価は慢性閉塞性肺疾患の重症度評価に対して有用であるという結論に至った。これらの研究結果は本年度の北米放射線学会で成果発表を行うとともに、学術雑誌のひとつであるEuropean Journal of Radiologyに投稿し、掲載された。また、上記と平行して、昨年度までにえられた手術後肺における解析に関しては、① 3次元的な呼吸運動評価におけるパラメーターは1秒率や努力性肺活量、肺活量などと有意な相関がある、② 3次元的な呼吸運動評価におけるパラメーターはこれらの呼吸機能検査におけるパラメーターの独立した因子である、という結果を得ることができ、術後肺の評価においても3次元的呼吸運動評価の有用であるという結論に至った。本年はこの研究内容に関しても、学術雑誌へ投稿への準備を行った。
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Eur J Radiol
巻: 85(2) ページ: 352-359
10.1016/j.ejrad.2015.11.026