研究課題/領域番号 |
25861102
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河野 淳 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20574388)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | BOLD / 血管反応性 / 微小循環 |
研究実績の概要 |
平成26年度は前年度に引き続き基礎的な研究を行い、それに続いてボランティアでの撮像を実施した。 まず前年度と同様に、撮像手法の設定と解析方法の検討を行った。詳細を述べると、画像の撮像については、収集時間の短さと画質および当院での機器性能などを考え、multi-echo法を用いたecho planer imagingを用いて行うこととした。解析については信号強度の時間経過による変化を解析するダイナミック解析を行うこととした。 次にボランティアを用いた実験についてはタバコと血管の反応性の関係を調べるために、喫煙・非喫煙者の群間比較を行った。ダイナミック解析のパラメータからいくつかの有意な差が見られ、喫煙者で低い値を示した。これらの結果から、喫煙者においては若年者であっても血管反応性が低下していることが示された。当施設で実施できる他の検査ではこうした血管反応性の低下は指摘できなかったので、BOLD法を用いた筋肉血流評価は、筋肉の微小循環における血流量を従来の検査より正確に評価できる可能性が示唆された。 この結果について国際英文雑誌に投稿し、原著論文として受理された(ただし正式な出版は平成27年度になる予定)。また学会にも口演発表を予定しているが、こちらも平成27年度に発表させていただく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験については研究開始時に当グループが想定していたスケジュールは遂行している。 論文投稿時に追加実験を要求されたので、追加実験を実施したためややスケジュールに遅れが生じたものの、現時点ではおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は院内検討会や論文投稿時に、いくつかの問題点やアドバイスをいただいたので、本年度の研究の派生的な研究を実施していく予定である。 具体的には対象とする疾患の拡大や、画像解析(血流評価方法)の開発、および別のダイナミック解析の適応などが考えられており、随時遂行していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果発表用の学会出張費などを使用しなかったためと考えられます。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度では学会発表のための出張費用や、追加の実験器具などの購入費用として使用すると考えます。
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