研究課題/領域番号 |
25861103
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
宮脇 大輔 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30546502)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 放射線治療 / 中咽頭癌 / HPV |
研究概要 |
中咽頭癌の治療では生命予後と共に機能温存が重視されるため、臓器・機能温存に優れた放射線治療が中心になることが多い。最近の報告では子宮頸癌と同様、頭頸部癌でもHPV(ヒトパピローマウイルス)感染が発癌に深く関与しることが分かっており、HPV陽性例では陰性例に比べ予後が良い傾向にあることも分かってきている。しかしHPV陽性例の中にも、治療抵抗性で予後不良群がある。今年度はまずこれまでに当院で根治的放射線療法、化学放射線療法を施行した中咽頭癌症例の生検もしくは手術標本におけるp16発現の有無について調査を行った。その結果、2010年1月から2011年12月に当院で放射線治療を施行した症例は全部で47例あり、そのうち22例において、p16の過剰発現がみられることが分かった。 またin vivoでの実験も今年度行ない、マウスの腹部に致死的な腸管粘膜障害を起こす放射線照射を行い、これにある薬剤を投与することによって、放射線治療にともなうアポトーシスの抑制と活性酸素の発生抑制効果を確認した。今後は放射線抵抗性と分子生物学的マーカーとの関係について、NF-κBに着目し研究を進めていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既存の生検標本を用いたNF-κBの放射線予測因子としての有効性の検討についての検討が未だ行なえていないため
|
今後の研究の推進方策 |
A) 放射線治療前の検体(生検検体)を用いたNF-κBの放射線予測因子としての有効性の検討とHPV感染との関連性の検討、B) 救済手術検体を用いた再発腫瘍についての同様の検討、C) NF-κB 以外のマーカーについての検討を引き続き進めていく予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
人件費500,000円を計上していたが、実際の支出額としては人件費は0円であり、この差が大きいため、140,741円の残が生じた。 次年度は翌年度分として請求した計画に加え、次年度使用額140,741円のうち、100,000円を実験助手の人件費として、40741円を物品費として計上する。
|