研究課題/領域番号 |
25861107
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
檜垣 徹 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 特任助教 (80611334)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 心臓CT / FFR |
研究概要 |
心臓の冠動脈造影CT画像から、閾値処理と追跡処理を組み合わせたアルゴリズムにより冠動脈領域の抽出を行った。抽出結果はラベル画像として出力されている。この後、流速及び圧力推定ソフトウェアで処理するにあたって細線化処理が必要となるが、これは来年度の課題とした。 ダイナミック造影CT画像から流速を推定する実験を行った。まず冠動脈ファントムとして、心臓左心室を模した容器の周りにビニールチューブを巻きつけたものを作成した。これを造影剤インジェクタと接続し、毎秒1mLの流量で生理食塩水と希釈したヨード造影剤を交互に駆出しながらCT装置で撮影した。擬似的に発生させた60bpmの心電図波形を利用して、心電図同期撮影モードを利用して1beat毎に撮影した。撮影したデータのチューブ上の異なる複数点でCT値を計測し時間濃度曲線を描出した結果、造影剤の伝達遅延により生じた位相差を算出することができた。この位相差から内部を流れる流体の流速を推定することが可能であった。 実際の患者をダイナミック撮影したデータから、冠動脈を流れる血液の流速を計測する実験を行った。画像データは広島大学病院でPerfusion CTが適用となり撮影されたものをretrospectiveに利用した。毎秒約1scanされたデータに対して冠動脈上の2点間で時間濃度曲線を描出しその位相差を観測した。冠動脈起始部と末梢に2点を取った場合には時間濃度曲線の位相差を観測することが可能であった。狭窄部位の前後という距離の近い2点を取った場合、位相差はわずかであり流速の観測は困難であった。このことから2点以上の複数点を利用した位相差の検出アルゴリズムを開発する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新たな課題がいくつか生じたため一部の研究計画が遅延している。それ以外については概ね順調に達成されている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の研究結果から、血管内の流速がCTの撮影間隔に対して早い場合には、短距離区間での流速の計測は誤差が大きくなると考えられる。血管内の流速を正確に推定するために、2点以上の複数点を利用した流速推定アルゴリズムを開発する。その後の研究計画については初年度に提出した交付申請書の計画のとおりとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の進捗がやや遅延したため、一部の学会への参加を見送ったため。 翌年度の調査研究費用に充てる。
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